2U chocolate では、公式オンラインショップにて焙煎カカオ豆の販売を行なっております。

こちらは皮を剥いてそのままお召し上がりいただく他に、ご自宅でチョコレートに加工することも可能です。

カカオ豆と砂糖のみで作るチョコレートはシンプルだからこそカカオの個性を存分に味わうことができ、作り方のわずかな違いで仕上がりの風味が変わるので毎回新たな発見があるのも愉しさの一つ。

一見ハードルが高そうに思えても、慣れてしまえば想像以上に早く作ることができるようになります。

以下の手順を参考に、ぜひ趣味としての Bean to Bar チョコレート作りをお愉しみください。

準備物

(材料)
・焙煎カカオ豆
・砂糖
※手順0での計算に基づき、適当量を準備してください

(器具)
・ミル(ここでは使いやすさの観点から「よめっこさん」(山本電気株式会社製)というミルを使用していますが、硬いものを粉砕できる適当な大きさのミルであればOKです)
・ドライヤー
・キッチンスケール
・温度計(赤外線タイプが使いやすいですが直接挿すタイプでも可)
・ボウル
・スプーン、ヘラ
・バット、モールド
・やわらかい保冷剤(氷水でも可)

材料と器具
器具

全工程の概要

(焙煎)→ 皮剥き → 粉砕/液化 → 簡易テンパリング → 成型固化 → 離型 → 完成

初めてでもおおよそ2-3時間程度、慣れてくると1.5時間程度で完成します。

0. チョコレートのレシピの大まかな計算

カカオ豆と砂糖のみでチョコレートを作る場合、以下の計算方法を参考にまずは大まかに必要量を計算しておきましょう。

方法1:最終的なチョコレートの量を決めてから計算する場合

・「カカオ70%」のチョコレートを「100g」作るとすると、
 100g×70%=70gのカカオニブ、100g×(100-70)%=30gの砂糖、が必要になります。
・焙煎カカオ豆の皮を剥いてカカオニブを回収すると、その回収率は70-80%程度になるので、仮に回収率を75%とすると70gのカカオニブを得るには、
 70g÷75%=約93gの焙煎カカオ豆の皮を剥けばよいことになります。

※お使いのミルのサイズによって作れるチョコレートの量は変わります。よめっこさんの場合、70g-150gぐらいのチョコレート作りが適量です。

方法2:使用する焙煎カカオ豆の量を決めてから計算する場合

・「焙煎カカオ豆」を「100g」使い、カカオニブの回収率を仮に75%とすると、
 100g×75%=75gのカカオニブが得られます。
・このカカオニブ75g全量を使用し「カカオ80%」のチョコレートを作るとすると、
 75g÷80%=約93.8gのチョコレートになり、必要な砂糖の量は、
 93.8g×(100-80)%=約18.8gとなります。

※この数字を目安にしつつ、皮剥き後にカカオニブを計量して実際のレシピを計算してください。

1. 焙煎カカオ豆の皮剥き

(※他のメーカーさん等から未焙煎のカカオ豆を入手した場合は、オーブン等で焙煎(加熱)してから使ってください)

・カカオ豆一粒を指で持ち押し潰すように力を入れ、パキッとヒビが入ったら爪を入れて皮を剥きます。
 皮を剥いた中身が「カカオニブ」と呼ばれる、チョコレートの原料になる部分です。

カカオ豆の皮剥き
カカオ豆の皮剥き


※皮が硬い場合はキッチンバサミで半分に割ってから剥くと剥きやすいです。

カカオ豆の皮剥き
カカオ豆の皮剥き


※カカオニブに含まれる細く小さい棒のような部分は幼根で、そのままカカオニブの一部として使って問題ありませんが、気になる場合は取り除いてください。

カカオ豆の幼根


・一粒ずつコツコツと剥いて、必要量のカカオニブを集められれば完了です。

皮剥きが完了したカカオ豆(カカオニブ)
皮剥きが完了したカカオ豆(カカオニブ)
カカオ豆の皮剥き前後の重量を計ると、カカオ豆に対してカカオニブが何%回収できたかがわかります

2. カカオニブの粉砕

・皮を剥いたカカオニブを計量し、ミルに入れます。

カカオニブを計量


・ミルに入れたカカオニブの重量から必要な砂糖の量を計算しておきます。
 (例)カカオニブの量が64gで、カカオ分を80%にする場合
 64g÷80%=80g(←最終的なチョコレートの量)
 80g×(100-80)%=16g(←添加する砂糖の量)

※カカオ豆と砂糖のみでチョコレートを作る場合、カカオ分を低く設定すると油分が少なくなり撹拌できない程ネバネバになってしまうので、最低でも55%以上に設定すると良いです。

・ミルをごく短く何回か稼働させ、ニブの塊を細かく粉末状にします。

細かく粉砕されたカカオニブ


・ニブの粉が飛び散らないように注意しながら、ドライヤーで軽く加温します。

ドライヤーで加温


・ミルを少し長めに稼働させ、ニブをさらに細かく粉砕していきます。
・粉砕が進むとカカオニブからココアバターが滲み出してきてしっとりしてきます。

ココアバターが少し滲み出してきた状態


・「壁面に付いたカカオニブをヘラなどで剥がす→ドライヤーで加温する→ミルを稼働させて粉砕する」を繰り返します。

壁に付いたカカオニブをヘラで落とす
壁に付いたカカオニブをヘラで落とす


・ココアバターの滲み出しが増え、艶が出てペースト状になればOKです。

粉砕がかなり進んだ状態
ココアバターが十分に滲み出した状態

※ 粉砕時間、粉砕回数、加温の程度等により、同じカカオニブを使用しても仕上がりのチョコレートの風味は微妙に変化します。

3. 砂糖の添加、粉砕、混合

・2の最初に計算した量の砂糖を、粉砕したカカオニブが入っているミルの中に投入します。

ミルの中に砂糖を入れる
ミルの中に砂糖を入れる


・カカオニブの粉砕時と同様に粉砕と加温を繰り返し、溶けたココアバターが全体に広がりペースト状になるまで続けます。

砂糖を入れてさらに粉砕
壁に付いたカカオニブと砂糖をヘラで落とす
ドライヤーで加温
全体が均一なチョコレート生地になってきた状態
粉砕を繰り返していると砂糖が均一に分散していきます
全体がまとまってツヤが出れば完成
全体がまとまってツヤが出れば完成です

※ カカオニブの粉砕時と同様に、この工程でも粉砕時間等の差異により仕上がりのチョコレートの風味は微妙に変化します。
※ 粉砕回数を増やせば粒子は細かくなりますが、ミルでの粉砕ではなめらかになるところまで粒子を細かくすることは困難なので、粒子の粗いザクザクした食感のチョコレートを愉しむものと捉えていただければと思います。

4. 簡易テンパリング/成型固化

・3で仕上げたチョコレート生地をステンレスボウルに取り出し、チョコレート生地の温度を計ります。

ボウルに取り出されたチョコレート生地
チョコレート生地の温度を計測
ドライヤーで加温を繰り返しながらチョコレート生地を作るので取り出し直後は35-45℃程度になっています


・やわらかい保冷剤や氷水等にボウルをほんの少し触れさせ、チョコレート生地の温度を部分的に下げます。
・ボウル壁面で冷やされた(場合により部分的に固化した)チョコレート生地をヘラで剥がし、全体に混ぜ合わせます。

チョコレート生地を少し冷やす
冷やし過ぎると一気に固まったり結露したりしてしまうので、1-2秒冷やして離し、混ぜて様子を見てください
全体をしっかりと混ぜ合わせます
部分的に冷えた部分を全体に混ぜ合わせて温度を均一にします
チョコレート生地の温度を計測
小まめに温度を測って状態を確認します


・チョコレート生地の温度を計り、30-31℃程度になるまで冷却/混ぜ合わせを繰り返します。
・チョコレート生地の温度が30-31℃程度まで下がったら、1分程度ヘラで全体を十分に撹拌します。

31℃付近までチョコレート生地の温度を下げます
冷却と撹拌を繰り返しチョコレート生地の温度を30-31℃程度まで下げ、その状態で1分程度しっかり全体を撹拌します

※この簡易テンパリングをせずに40℃程度のチョコレート生地をそのまま冷やし固めると、融点が低く手で持っただけですぐに溶けてしまうようなチョコレートに仕上がります。


・テンパリングを終えたチョコレート生地をバットやモールド等に取り出し、ヘラやスプーン等で伸ばして成型します。
※成型に時間をかけ過ぎるとチョコレート生地の温度が下がってしまうので、手早く実施します。
※ナッツやドライフルーツ等をトッピングしたい場合は、成型後に手早く乗せると良いです。

チョコレート生地をモールドへ
粘度が高く流動性が低いので自然には広がりません
ヘラやスプーンで伸ばして成型
ヘラやスプーンで押し付け薄く伸ばします


・成型を終えたチョコレート生地を冷蔵庫に入れ、20-30分程度冷やし固化させます。

成型を終えたチョコレート
モールドやバットで手早く成型を終えたら冷蔵庫へ入れて冷却固化させます

5. 離型/完成

・冷蔵庫で冷やし固めたチョコレートを取り出し、モールドやバットから剥がします。
 十分に固まっていれば比較的簡単に剥がせるはずです。

固化したチョコレート
固化したチョコレートの離型
柔らかいシリコンモールドの場合、端からゆっくり剥がしてみてください
離型されたチョコレート
粒子が粗い仕上げなので表面はややザラついた感じになります
離型されたチョコレート


・お好みの大きさに割って、カカオ豆から自分自身で手作りしたチョコレートを存分にお愉しみください。
 カカオ自体の個性的な香りとともに、ザクザクとした食感もお愉しみいただけると思います。

完成したチョコレート
自分の手で作り上げたチョコレートでカカオの個性を存分にお愉しみください

※簡易テンパリングをしてから冷却固化させると結晶の状態がある程度揃うため、離型後すぐにファットブルーム(チョコレートの表面が白くなる現象)が発生することはあまりありませんが、あくまで「簡易」テンパリングのため早ければ1-2日程度でファットブルームが発生してしまいます。見た目はやや悪くなりますが風味を愉しむのに問題はありませんので安心してお召し上がりください。

以上が自宅でできる Bean to Bar チョコレート作りの流れです。

初めての時は皮剥きやテンパリングが大変だったり戸惑ったりするかもしれませんが、何回か試しているうちに慣れてくると思います。

そして何回か繰り返して慣れてくると、単純な作業の細かな違いが最終的なチョコレートの風味に違いを与えるということにも気づいてくると思います。

そして「次は粉砕の時間を長くしてみよう」とか「違う産地のカカオを試してみよう」とか、ワクワクとしたチャレンジ精神が湧いてきたら、あなたはすっかり Bean to Bar 作りの、カカオの虜です。

ぜひ趣味として、作る過程もカカオの風味も、おうち Bean to Bar を存分にお愉しみください!